相模原障害者差別殺傷事件について、いち支援者が思うこと

今回の相模原殺傷事件について、いち精神保健福祉士として、現時点で思うことを整理したいと思います(基本的に、明朝以降の修正は行いません。ご了解ください)。
まずは、植松聖容疑者(以下、”容疑者”)が衆議院議長に当てたという”手紙”の内容東洋経済の記事を見ると良いかな、と思います。

ここから、容疑者の”優生思想”を読み取ることは難しくない。容疑者が特に重複障害の方を特定して殺害していることからも、このことはうかがえる。謝罪しているとの報道もあるが、「遺族の方”には”謝罪したい」と述べているのであって、自分が過ちを犯したとはひと言も述べていないのである(産経の記事では、「後悔していない」とも)。両者は矛盾しない。不謹慎な言い方をすれば、「殺害したことは間違っていない。ただ、根回し・手順が悪かった」と言っているのだろう。これを鑑みれば、送検の際に報道カメラに見せた”笑み”も、理解不能な行動ではない。

以下、”識者”の意見を引用して、考察を続けたい。

影山任佐(じんすけ)・東京工業大名誉教授(犯罪精神病理学)の話(産経
施設名に加え『結束バンド』や『夜』『自首』など、衆院議長宛ての手紙通りのことを実行しており、計画的な犯行だ。手紙の文章はある程度整っているが、『第三次世界大戦を未然に防ぐ』など誇大妄想にとらわれた偏った表現も目立つ。動機は施設関係者への個人的な恨みではなく、薬物による中毒性精神障害だった可能性が高い。措置入院前後で、薬物依存はどの程度把握されていたのか、脱却するための継続的な治療が行われていたのかがポイントだろう

千葉大学社会精神保健教育研究センターの五十嵐禎人教授(司法精神医学)は
事件を起こす可能性がゼロではないというだけで入院を続けさせるのは、人権上重大な問題で、制度設計は悩ましい。今回のケースでは、措置入院解除の判断が正しかったかなどの検証が必要だ
と話す。(「相模原殺傷、退院後フォローなし 措置入院のあり方は」アサヒコム)

措置入院は、本人の同意が不要な強制入院である。強力な人権制限であることから、措置入院の適用やその期間はできる限り慎重になされる。本人は措置入院の退院時に、「大量殺人できると言ったことはどうかしていた」と話していたという。措置入院時の説明で”自傷他害の恐れがなくなれば、退院できる” と認識していた上での発言ならば、責任主体が誰であるかは差し置いて、大失態以外の何物でもない。しかも、施設側は容疑者の侵入を警戒し、防犯カメラの増設など対策を講じていたという。これらのことを鑑みれば、今回の犯行は、容疑者の”精神障害”などが原因ではなく、本人の判断能力はいささかも疑われない。

河北新報の今日の社説
植松容疑者にとっては以前の職場であり、施設内の様子も当然覚えていたはず。入所者も職員もおそらく、突然の凶行を防ぐことは難しかっただろう。…事件までの経過をたどれば、やまゆり園に対しかなり危険な言動を繰り返していたことは明らか。地元の警察や自治体が連携し、法律の許す範囲でもっと効果的な対策を取れなかったのだろうか。

成城大学の山本輝之教授(刑法・医事法)も
措置入院者の退院後のフォロー体制が整っていないのが現状」と指摘する。措置入院を定めた精神保健福祉法は精神障害者に対する医療と保護が目的で犯罪予防が目的ではない。「医療だけでなく、地域や福祉が手を携えて対処する仕組みを考えるべきだ」と話す。
(「相模原殺傷、退院後フォローなし 措置入院のあり方は」アサヒコム)

その後のフォローが十分ではなかったという報道もある。”縦割り行政”と批判することは簡単だが、実際にどう制度を構築すべきかは難しい。難しい作業だが、医療観察法のような、ケースごとに担当者を振り分けるような横の連携を取れる人材を確保する制度が有効かもしれない。

*各種メディア報道を参考に、脱稿時点での情報を元に構成しました。
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