”東工大、集う文系の達人”の軌跡と展望

昨日の記事で恐縮ですが、朝日新聞デジタルに、

東工大、集う文系の達人 中島岳志氏・磯崎憲一郎氏ら次々教授陣に 教養重視の伝統

という記事が夕方アップされていました。
リベラルアーツについては、こちらの記事も参考になります。
大人になるためのリベラルアーツ(上) 異分野に触れ自己解放(日経)
大人になるためのリベラルアーツ(下) 複数の立場 自由に往復 常識脱し心開く/知識活用、自ら判断 藤垣裕子・東京大学教養学部副学部長(日経)

私の最終学歴は東工大なのですが、学部課程は違う大学なので(いわゆる”外様(とざま)入学”)、東工大自体には、ほとんど思い入れや愛着がありません。ただ、文理融合・学際研究(*学際:いろんな学問分野の境界領域)を謳う専攻にいたので(記事中にある”東工大に集った学者・文化人”は全てこの専攻の教員でしたが、その専攻も、今春の大学改組でなくなってしまい、併せて私の師匠も定年退官したのですが)、私のように、バリバリの理系ではなく、文系の授業に潜りまくっていた人間にとっては、とても興味深いのですが、そうでない実験室に籠もりきりのような人には負担が増えるだけにしか感じないかもしれません。

これと関連してか、東工大は英語教育にも力を入れており、大学院では、2018年までにほぼ全ての講義を英語化するとのこと*です。その教員の英語能力と関係なく、内部では懐疑的な意見もあるようですが、OBとしては勝手にしろといった感じです(ちなみに、東工大入試の英語は、東大・京大・一橋などと比べると易しいです)。
(参照*:英語公用語化、いつの間にか企業に浸透の根強さ|イマドキ職場のギャップ解消法 高城幸司|ダイヤモンド・オンライン

この理系大学の雄の歩みは、これからの大学改革の観点からとても興味深いでしょう。しかしながら、学際研究というのは、私は身をもって体験したので言えるのですが、研究を進めれば進めるほど、関連領域の知識が幾何級数的に必要となるので、とてもしんどい作業です。それが、全ての学生に必要かと聞かれると、そうではないと感じます。
先ほどご紹介した日経の記事の中で、とても良い文章があったので、これを以て末文に代えたいと思います。

教養とは知識の量ではなく、いついかなるときにでも自らの知識を総動員して他者に説明でき、的確な判断を下せる能力のことである。リベラルアーツの理念に基づく教養教育とは、人間が独立した自由な人格であるために身につける学芸のことを指す。(藤垣裕子氏)

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