PHP研究所から毎月発行されている”THE21″の今月号の特集は、
「ストレスをこれ以上気にしない強いメンタルの作り方」
です。ここまで直截なタイトルをつけられるのは珍しいので、「ストレスを味方にする11の習慣」を手に取って見ると、
- 逃げ道を作っておく
- 大きな視点で考える
- 成功イメージをリアルに描く
- 強いストレスほどチャンスと考える
- 嫌われてもいいと割り切る
- 自分の思考のクセを知っておく
- 人に頼る
- 目の前のことを全力でこなす
- まず、身の周りを片づける
- ストレスを書き出す
- 呼吸を整える
うーん。詳細な目次は上のリンク先を見て戴くとして、どんな内容か概ね想像がついてしまうのは私だけでしょうか。いま一つ私が腑に落ちないのは、これらの 、ストレスに対するポジティブシンキングです。ストレスは実は体にいいのだから、乗り越えよう!行動しよう!
精神力(メンタル)を強くし、ストレスに立ち向かう。それはそれで良いのですが、この考え方だけだと、どんなにストレス耐性(強度)があっても、それの許容量以上のストレスがかかると、心が”折れて”しまいます。
ここで、いま一つのストレス対処の考え方は、最近話題になっている”レジリエンス”です。元々は物理用語で、靭性とか弾力性とか復元力などと訳します。一部が破損しても、うまく形を変えることで、元の機能を回復するのです。材料工学では、強度と靭性は、同時に向上することはできません。前者は硬さで外圧をはね返し、後者は変形することで外圧を吸収するのですから、両者が両立し得ないのはイメージできると思います。
このことを考えると、ストレスに対しメンタルを強くするのもいいのですが、うまくかわすレジリエンスを持つことも大事であることがお分かりいただけると思います。いま流行りのレジリエンスについて詳しくは、また別の機会に。
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