”心の防災手帳”について(河合薫氏書き起こし)

ストレス・マネジメントに詳しい、健康社会学者の河合薫女史が、

コメンテーターを務める今朝のラジオ番組で、”心の防災手帳”について、解説しました。

今日は、それの概要をお届けします。

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自然災害のストレスは、最初の大きな地震で受けたストレスが、

その後に受ける困難によって、ストレスをさらに大きなものにしてしまう。

つまり、ストレス状態がドミノ倒しのように続いていくのが特徴。

3つの段階に震災のストレスは分けていくことができるが、

それぞれの段階で上手く対処していくことがとても重要。

まず最初の第一段階(避難して3ヶ月後位まで、”急性期”)が、最初のストレス状態が起きる時期。

恐怖(地震の爪痕)・無力感(周りを助けることもできない)・不安を感じるが、

ストレスの雨を心に溜めずに吐き出す作業が必要。

誰かの役にたつ、自分にできることがあるという役割を見つけることが重要。

 

次の段階が中期(1〜3年目ぐらいの時)。この時に何ができるかがとても重要。

震災が起きてから普通の生活に戻れず、喪失感(人・家財・地域)と向き合うと、急性ストレス状況が出てくる。

具体的にはうつ・不眠・自責感の傾向。自分の心身の状況にうまく向き合って、それに対処するのがとても重要。

自分だけでどうしようもないなら、専門医・専門のケアスタッフなど誰かの手を借りることが重要。

ここでうまく対処できないと、いわゆるPTSDになる(PTSDとは、震災直後に起きるものではない)。

 

ここでうまくケアできないと、うつ・不眠を訴える人の半数以上がPTSDになり、

10年15年経ってもPTSD症状が消えないという状況がある(第三段階)。

阪神大震災では10年15年経っても、PTSD症状が15%の人にあった。特に女性が多い。

 

ストレスの知識を持っておくことがとても重要。

ストレッサー(ストレスの雨雲)とストレス症状(ストレスの雨にびしょ濡れになった心の状態)

自然災害だとストレッサーはどうすることもできないので、ストレスの雨に濡れた心を改善させることが重要。

ショック状態が大きいと自覚症状がないこともあるので、

周りの人が気をつけてあげて、元気がない・落ち込むことがある・不眠・イライラが見られたら、

外に連れ出し気分転換する(飲みでもカラオケでもスポーツでも)ことがとても重要。

(ストレス対処がうまい人は、気分転換が上手)

これが1年目から3年目に非常に重要。

初期の症状が大きいと、外に出られず、PTSDになってしまっても、

1〜3年目の中期の時に、いかに声がけをするか、気にし続けるかでその後の症状が変わってくる。

 

注意すべきは、専門の知識がない「心のケア」という押し売り(善意でも)は、被災者の苦痛につながり危険。

以上。

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