認知症事故判決、どのような社会構成をすれば良い?

愛知県の認知症の男性が列車にはねられて死亡し、この際の振り替え輸送などの損害賠償をJR東海が遺族に求めていた訴訟で、最高裁は昨日、「遺族に賠償責任はない」として、賠償を命じた二審判決を破棄しました。全国紙の主張を勝手に抜粋すると、

朝日:徘徊は防ぎきれないという前提に立って、個人や家族任せではなく、地域で広く支える仕組みが必要だ。

産経:備えた民間の保険もあるが、適用対象が限られる。この拡大などを国が後押ししていく必要もあるだろう。

日経:鍵となるのが医療や介護などを一体的に提供する「地域包括ケアシステム」だ。国や自治体は整備を急がなければならない。

毎日:判決からくみ取るべきは、認知症高齢者の介護をする家族を孤立化させず、地域や社会で支えていくことの大切さだ。

読売:責任をどう分担するのか、保険制度の活用などの議論を深めることが肝要である。

 

各紙とも好的に捉えている様ですが、死亡した男性の妻も、要介護認定(認定1)だったことが、

そもそも”監督義務者”ではないと言う判断でした。

もし妻が心身ともに健康で監督義務者だったら…

今回と同様の判決(JR側の請求棄却)が出るかは、わかりません。

弁護士の小島好己氏は、今日リリースの東洋経済オンラインで、以下の様な指摘をしています。

長くなりますが、他では見られなかった議論なので、転載します。

事故が起きている以上、責任や過失の所在はさておき、認知症患者の行動によって事故が惹起され、鉄道事業者が損害を受けたという事実は動かない。事故態様によっては、逆に安全確保が不十分であったという理由で、認知症患者の遺族から鉄道事業者が賠償請求を受けるという事態もあり得る

(下線引用者、中略)

利用者に投資分を転嫁したり、税金を投入したりするといっても限度がある。経営基盤が脆弱で余力が少ない鉄道事業者における安全対策強化をどのように進めていくかということもあわせて、今後議論が必要であろう

「社会で支えていくべき」と言うのは簡単ですが、では実際に誰が何をすれば良いのか?

地域の見守りネットワークの確立、

それを支えるITネットワークの整備、

鉄道会社側の安全対策強化、

もしもの時の保険開発…

日本の高齢化は世界一のスピードで進んでいます。”老老介護”は5割を超えました。

まさしく”待ったなし”です。

日経の言うように、特効薬はなく、地道にできることを積み重ねるしかないと思います。

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