「同一労働同一賃金」は善か?
昨晩の記事で恐縮ですが、
「「同一労働同一賃金」を実現=安倍首相、施政方針演説で表明へ」と時事通信の報道にありました。
はぁ???って感じです。
はっきり言います。正社員と派遣社員の給料が違うのは、当然です。
「同一労働同一賃金」の理屈だと、ほとんど何のスキルもない新人社員に、
20万も初任給を出すのはおかしい、ということになりませんか?
研修の時期と、現場に出た時とで給料が変わらないのもおかしい、ということになりませんか?
(残業代は勿論別です)。
では、なぜ殆ど戦力にならない社員に、実際に現場で働いている人とほぼ同じ賃金を払うのでしょうか?
それは、新入社員のポテンシャルに投資をしているからです。
現場に出て成果を出しつつ現場を知り、将来は管理者として出世して
リーダーシップを発揮することを期待されているからです。
派遣社員やアルバイトには、そんなポテンシャルは必要ありません。だから給料が安いのです。
単純に給料が労働量に比例する仕組みですから、<u>当然、ボーナスも出ません</u>。
某大手企業では、新卒社員を採用する際、大卒を対象とした”ポテンシャル採用”と、
高卒程度を対象とした”プロフェッショナル採用”とを、はっきり分けて採用しています。
最初は同じ工場勤務(つまり同一労働)でも、その後の出世コースがまるで違うのです。
だから、給料が違うのです。公務員におけるキャリアとノンキャリの違いも、本質的にはこれです。
「いやいや、正社員より仕事のできる派遣さんはごまんといる」とお考えかもしれません。
それなら、時給に成果主義を持ち込み、その方の時給を上げればいいだけの話です。
もしくは、正社員への登用にチャレンジする機会を与えればいいのです。
ニートの方や学生アルバイトの収入が低すぎるという問題も同じです。
民間企業に、非正規社員の生活保障の役割を期待するのは誤りです。
彼らが、そんな収入では生活できないというのであれば、それは社会保障で対応すべき問題です。
逆に言うと、大学を出て、安易にフリーターになるというのは、
キャリアデザインとして非常にまずいのです。
非正規社員が正社員に登用される仕組みは、まだ日本にはとても少ないからです。
「同一労働同一賃金」という主張は机上の空論で偽善である、と私は考えます。
* 本記事は、私の個人オピニオンブログにも同一記事を掲載いたします。
【1.21追記】
毎日新聞の記事に関して、いろんな人がいろんなことを言っています。