「障害者が生きる価値とは〜津久井やまゆり園事件について考える〜」参加報告レポート

みなさん、こんにちは。マインドデザイナーの山口修司です。

昨日は、相模原市内のホールで行われた、「障害者が生きる価値とは〜津久井やまゆり園事件について考える〜」というシンポジウムに参加してきました。

前半は、読売新聞の記者で「精神医療ダークサイト」の著者でもある、佐藤光展氏の基調講演でした。後半は、佐藤氏や、精神障害の当事者スタッフの方、家族会の代表の方が登壇し、パネルディスカッションが行われました。
私には、当事者の方が、「障害者は生きる価値を否定された」と繰り返し言っておられたのが心に残りました。

 

ところで、今、この相模原事件をきっかけに、精神保健福祉法という法律が改正されようとしています。「精神保健福祉法」とは、精神障害者に対する支援の大元、根っこになっている法律です。
(身体障害者の方に対しては「身体障害者福祉法」、知的障害者の方に対しては「知的障害者福祉法」があり、「精神保健福祉法」は、これの精神障害者バージョンです)

私の見聞きする限り、この「改正」に賛同している人はいません。
精神障害の当事者団体も、支援者である精神保健福祉士の全国協会(日本精神保健福祉士協会)も、その他各NPOも、みな反対しています。

 

なぜ、反対の声が多いのか。
少し長くなりますが、鷺原由佳さんという当事者の方のメルマガコメントがとてもわかりやすいので、引用します。

今回の「改正」案の概要では、精神障害者支援地域協議会を設置するとし、代表者会議と個別ケース検討会議を行うとしています。しかし、この代表者会議には「警察等」が入っています。相模原事件の再発防止検討チームの座長は記者会見で、「監視を強めるものではない」と言いました。だったら、警察等は入れる必要がないですよね? また、個別ケース検討会議(退院後支援計画の作成や実施に係る連絡調整)の参加者は「必要に応じて、障害福祉サービス事業者、本人・家族等」となっています。なぜ最も大切な「本人」が「必要に応じて」なのでしょうか。当事者抜きの支援などありえないです。
そもそも、今回の法改正には、立法事実が存在しません犯人は5ヶ月間に及ぶ精神鑑定の結果、2月20日に刑事責任能力があるとの鑑定結果が出ています。それにも関わらず、「相模原障害者殺傷事件は精神障害によって引き起こされた」との決めつけに基づく法改正を進めることは、まったくの誤りです。
(太字引用者)

 

また、全国「精神病」者集団という当事者の方の団体は、3月19日に緊急声明を出しています。

本人主体の支援ではなく都道府県を主体とした保健所主導の監視というべき内容になっています。加えて、精神障害者支援地域協議会には、代表者会議の構成員に警察関係者が入っており、医療や支援ではなく明確に治安的な介入が意図されていることがわかります。
(太字引用者)

少し、補足をします。
担当官庁(厚生労働省)としては、事件の再発防止のために何かポーズを取らなければいけないという動機から、このような改正案が出てきたのでしょう。治安云々は考えすぎだとは思いますが、そうなるリスクがあるのは事実です。

私たち精神保健福祉士は、病院における患者さんの弁護士だ、と言われることがあります。
身体拘束を行なっている精神科病院は、「行動制限最小化委員会」といって、その身体拘束が本当に必要だったのかをチェックする機関があり、精神保健福祉士がそれを担当します。

 

日本には、1万人以上の強制入院者がいます。これは経済先進国の中でも類を見ない多さです。
また、「危ない人たちだから、やった方がいいんじゃないですか」と思う人が一般の人の大半というのが、当事者の方の肌感覚のようです。また、身振り手振りで、「あぁ、この人精神障害者だな」と察知する人もいるようです。それも、医療・福祉従事者の中にです。それ自体は、正直否定できない部分があると私は思っていますが、それと実際の行為は別問題です。精神疾病の既往歴がある私からすると、その支援者の行為こそが、一般社会との断絶を生んでしまっているのでは、とも感じます。

 

本稿の最後に、佐藤光展氏の発言をご紹介します。

誰でも障害は負うもの。認知症による身体拘束が増えている。一般の診療科では不法行為が横行しており、明日は我が身である。

 

【参照資料】
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律の施行について |厚生労働省
「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案」に関する見解(公益社団法人日本精神保健福祉士協会会長柏木一惠)
精神保健福祉法改正案に関する緊急声明 | 全国「精神病」者集団
【連載】いち精神障害者。ふらりと見参 – Social Change Agency
相模原殺傷事件から半年の所感 | リワーク・マインドデザイン・ルーム(山口修司)
24時間テレビの障害者企画は、感動ポルノか?【続論】 | リワーク・マインドデザイン・ルーム(山口修司)

 

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