小田急電鉄の経営戦略に、一般企業が学べること

みなさん、こんにちは。マインドデザイナーの山口修司です。

小田急電鉄の強みから、何を学べるのか」という記事が今、ITmedia ビジネスオンラインで読まれています。私は20年来の小田急ユーザーなので、思うところを述べたいと思います。”強み”は2つです。

この記事では、小田急の”強み”として、”ロマンスカー”と”複々線化”が取り上げられています。前者はブランドの確立、後者は超長期・改善プロジェクトの達成です。これらは、一般企業も学ぶところがあるでしょう。

【ロマンスカーについて】
ロマンスカーは、今でこそ、ブランドとして評価が確立していますが、快速急行の登場以前は、ロマンスカーの停まらない、その他多くの利用客には評判が悪かったのです。自分たちは混んでいる電車で苦しい思いをしているにも関わらす、どうしてロマンスカーの利用客だけにはあんなに快適なサービスを提供するのかという批判が噴出しました。ブランドは、それ以外のユーザーからの理解があってこそです。
また、私は、2012年8月号の鉄道専門誌に、ロマンスカーの停車駅を、町田・本厚木・(秦野)に一本化すべきだと投稿しましたが、実際には逆のことをしてしまいました。これも、ブランド形成を考える上で、注視に値するでしょう。希少性の高さゆえのブランドであるのなら、誰でもどこでも入手・利用できるのでは、ブランドにならないのです。

 

【来年3月には、ついに複々線化が完成します】
当局は、これによる詳細な時間短縮を発表しているので、既に完成後のダイヤはほぼ固まっていると考えるのが妥当でしょう。現在の発表資料によると、朝ラッシュ時限定の種別が誕生するのでは、と私は見ています。緩行線を走る優等列車(”通勤準急”?)の登場と、町田ー下北沢間ノンストップの列車(”通勤快急”?)の登場を、私は予想しています。

それはさておき、複々線化は「50年来の悲願」などと持ち上げられていますが、とんでもない話です。プロジェクトの開始頃に22歳で入社した人は、完成の日の目を見ることなく定年を迎える計算になってしまいました。当局は、まずは、これだけの年月がかかってしまったことを、沿線利用客に詫びるべきでしょう。完成PRを打つのはその後です。

では、なぜこれほどまでの年月を要したのかというと、はっきり言うと、沿線住民の抵抗に合ったからです。一部の住民には、工事認可取り消しの民事訴訟を起こされました。結局、大半の区間は利用客ファーストの改良工事にできましたが、下北沢駅に関しては、これはできませんでした(詳しいことは、私の外部ブログ、”公益性の敗北~小田急下北沢駅地下化~ – 評論家気取り”をお読みください)。

ここからは、巨大プロジェクトをいかに推進すべきかということを学び取ることができると思います。即ち、ステークホルダーへの周到な根回しをする一方、コアとなる目的はぶれることなくミッションを推進することです。ここでぶれてしまうと、ずるずるとプロジェクトの完了が先延ばしになってしまうばかりか、プロジェクトの目的が散逸しかねないからです。

 

本稿は、”リワーク・マインドデザイナー”内コラムのための書き下ろしです。
本稿の執筆にあたっては、種々の文献を参照しました。

 

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