愚かなる四半世紀来の笑止千万な我田引鉄政策決定

 

”整備新幹線”である北陸新幹線の未着工区間について、その経由ルートが与党内で正式決定した。

”新幹線”とは何か。利用客の多い”幹線”に代わり、より速く大量に輸送することを目的とする交通機関のことである。建設基準は”速いこと”、そして利用者の負担する運賃は当然のことながら、より”安いこと”。これのみである。したがって、建設ルートは、拠点都市間を最短で結ぶものが望ましい。ここでいう拠点都市とは、現行の在来線特急が停車する京都のみである。

この原則に立ち返るなら、ほぼ直線で敦賀ー京都ー新大阪間を結んでいる在来線の活用が望ましく、2兆円もかけて新たに新幹線を造る意義は極めて乏しい。金沢から敦賀までの区間は在来線規格で建設すれば良い。災害時の「東京ー大阪間」迂回ルートであるからといって、平時に”迂回”する需要はないのだから、その全てを一本のレールで結ぶ必要はない。災害時には、金沢で乗り換えればよい。

 

こういうことを言うと、「地方振興を考慮しない、的外れの誤った見方だ」などと言う大馬鹿野郎が出てくるが、そういう輩は”新幹線”の元祖である、東海道新幹線の建設経緯を勉強して欲しい(関連書籍は山ほどあるが、例えばこれ)。

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ここで確認しておくべきは、よくいう”新幹線効果”とは、経済学では”外部効果”という。時間短縮という直接の便益とは明確に区別されるものであり、時間短縮という最優先基準をないがしろにして外部効果に走るのは、まさしく本末転倒な行為である。
「原子力発電所を建設した見返りという観点から福井県小浜市を通るという事情も理にかなっているし、少々の遠回りくらい大目に見るべしという意見も正しい」
という見方に誰も異議を唱えないが、”速く”・”安く”・”最短で”という原理からは、全く理にかなっていない。ゆえに、もちろん正しくない。

 

加えて、さらに困ったことに、京都ー新大阪間でも、にわかにルートについて、もめ始めた。現在検討に上がっているどちらのルートになっても、京阪神間の移動は、在来線の新快速に乗った方が速い。これでは全く新幹線の意味がない。多くの乗客は、終点の新大阪ではなく、京都で在来線に乗り換えるだろう。ここまで来ると笑うしかない。

 

四半世紀来の笑止千万な政策決定は、”我田引鉄”以外の何物でもなく、”この国のかたち”に大きな禍根を残すことになる。冷静な国民世論によって、着工までの間に、政治の暴走を行政が止めることに期待するしかない。

 

執筆にあたっては、各種報道を参考にした。

 

以上、”愚かなる四半世紀来の笑止千万な我田引鉄政策決定ー北陸新幹線延伸ルート決定”(評論家きどり)より転載。

[2017.1.30追記]
(列島追跡)北陸新幹線、小浜・京都ルートに  負担・在来線巡り神経戦 :日本経済新聞

 

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