論文メモ「リカバリーの意味とその科学」

みなさん、こんにちは。精神保健福祉士・山口修司です。

先月の精神神経学雑誌(日本精神神経学会・和文誌)で、「リカバリーの意味とその科学」という論文が興味深かったので、そのメモをしておきます。”障害をもった者が、残存機能を最大限に発揮して、地域社会の中で、新たな人生を獲得する活動”のことを、”リハビリテーション”と言い、特に、その成熟過程のことを”リカバリー”と言います。

 

【論文構成】

  1. リカバリーの構成概念の論点整理
  2. リカバリーの科学的検討
  3. リカバリー志向性サービスの普及への道程

 

【本文より】

精神医学が医学への仲間入りを果たそうとするなかで客観的アウトカムが重視されてきたが,
近年,主観的アウトカムの重要性が再び指摘されるようになった.リカバリー概念の登場である.

米英のリカバリー概念を単に輸入するだけではなく,本人にとっての主観的な回復という,当事者中心の精神科医療におけるアウトカムとしてあたり前に大事な概念を,日本でどのように定着させるかが課題である.

リカバリーをめざす当事者に専門家が伴走していくうえで,この主観的で個別性が高く,本来客観的に記述することが困難な概念をいかに評価し,当事者と専門家で共有していくかが課題となる

パターナリスティックな医療と受動的な当事者の権威勾配があるままで,デイケア(注:精神科の外来リハビリサービスのこと)がリカバリーセンターと呼称が変わるだけ,というようなことがあってはならない.

(以上、下線全て引用者)

 

【感想】
精神疾患とその治療は、”精神”という人間の主観そのものを相手にしている以上、その構成概念も主観的にならざるを得ないが、オカルトではなく科学的な進歩を期待するなら、客観的な評価は避けて通れない。しかしながら、概念化は医学である以上、当事者(患者)志向でなければならず、ここに、課題の難しさがあると思う。

 

【参照資料】

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※ 現在、精神保健福祉士国家試験の科目からは、”精神科リハビリテーション”という科目は消滅している。

 

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