相模原市の障害者支援施設における事件とその後の動向に対する見解(日本精神神経学会)

みなさん、こんにちは。

私の所属する日本精神神経学会が、「相模原市の障害者支援施設における事件とその後の動向に対する見解」を出しました。本当は、全文読んでくださいと申し上げたいのですが、おそらく一般の方が読んでも「?」な部分も少なくないと思いますので、要点をピックアップして解説します。ぜひ、お役立てください。

一 精神保健福祉法は措置入院制度も含め、犯罪予防のためにあるのではないことを明確にしなければならない。法は…患者の医療及び保護、社会復帰を目的とし、さらには社会経済活動への参加を目指しているのである。

精神保健福祉法とは、精神保健と精神障害者福祉についての一番基本となる法律です。下線部(以下、すべて引用者)に着目ください。当たり前ですが、病院は治療機関であって、それ以外の何物でもありません。治療で犯罪予防ができるというのは幻想です。犯罪は、病気のせいで行われるとは限らないからです。このことは、”二”で触れられています(引用者による下線部に注目)。

二 …措置入院の要件である「自傷他害のおそれ」とは、現在及び比較的近い将来に見込まれる精神症状の範囲で「おそれ」が診断されるものであり、 今回の事件のように、措置入院が解除されて数ヶ月後の犯罪を予測することまでを要求されてはいない。そもそもそのような予測は医学的に不可能である。

繰り返しになりますが、それが病気による妄想ではなく思想であれば、”治療”することなどできようがありません。病院は監獄ではないのです。

三 …いかに歪んだ思想であっても、精神症状としての妄想でなく、思想であるならば、精神医学・医療の営みとしての治療の対象ではありえない。ましてや、これを封じ込めるための手段として措置入院等の精神医療の枠組みが利用されることも許されない。

上の”三”で見たように、措置入院=犯罪予備群、ではありません。したがって、医療機関(病院)に思想矯正の機能を求めるのは、誤りなのです。すなわち、

五 …措置入院の経験者は、治安対策の対象者では断じてなく、地域社会の一員として平穏に生活する権利を持つ市民である。その支援策は治安的観点ではなく、医療による支援と住民福祉の考え方に基づいて講じられるべきである。

このようなことを言うと、保守系の方々から、「犯罪者の人権ばかり言及して、被害者の人権は顧みないのか」というお叱りを受けそうですが、決してそうではないことを最後に付け加えておきます。

今回の事件で特異なのは、容疑者が「障害者は不幸を作ることしかできない」ので 「日本国や世界の為」(衆議院議長あての書簡)との意図で犯行に及んだ可能性が大きいことである。このような極端な優生思想は、憲法はもとより、障害者権利条約や、 障害者差別解消法等に基づくわが国の障害者施策からも、到底容認できるものではない。(”三”より)

以上、ご参考になれば幸いです。

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