鉄道車両の脱線を防ぐ新技術「脱線しにくい台車」について

今日の交通新聞より(そういう業界新聞があります)。

■ 7■ 鉄道総研 脱線しにくい台車を開発
 鉄道総研は、乗り上がり脱線を防ぐ新技術を導入した「脱線しにくい台車」を開発した。脱線の起因となる横圧や輪重低減を抑える新しい機構を採用したもので、さらなる安全安定輸送に寄与すると期待される。すでに基本性能や耐久性を確認する走行試験を終え、今後、鉄道事業者の協力を得ながら、近い将来の実用化を目指す。

これは、すごいニュースです。

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鉄道車両の脱線現象は、主に、2種類に分けられます。
1)飛び上がり脱線:高速走行時に車輪が飛び上がって脱線する現象
2)乗り上がり脱線:低速で急曲線通過時に車輪がせり上がって脱線する現象

前者は、車輪に急激な横方向の力が作用することによって車輪がレールから飛び出してしまう現象です。高速走行時に車輪が蛇行動と呼ぶ、まさに蛇のような動きをする振動が起きたときに起きます。
後者は、横圧(車輪を横方向に押し付ける力)が極端に大きくなり、かつ、輪重(車輪を下方向に押し付ける力)が小さくなるときに発生する現象です。地下鉄日比谷線脱線事故は、これが一因にありました。(ちなみに、福知山線脱線事故は、1・2のどちらでもありません。”脱線”というよりは、速度超過による”転覆”と言った方が正しいのです)。

さて、その新技術ですが、難しい車両力学の話はしません。キーワードは、”横圧”と”輪重”です。
ちなみに、”台車”とは、車体の下の、車輪のある部分のことを指します。

1)横圧の増加防止
ボギー角連動操舵台車というものが開発されていますが、コストが高く、普及の妨げになっています。そこで、低いコストで横圧減少効果を得るために、鉄道総研ではアシスト操舵機構を開発しました。
開発した台車は、外側にある前後二つの車輪の間隔を自動的に広げる「操舵アクチュエーター」を備えることで、横圧も減らすことができるとのことです。
画像出典:乗りものニュース/鉄道総研)

2)輪重の減少防止
四つの車輪を支える台車の中に回転機構を入れて、台車枠自体が軌道の平面性変位に追従する「輪重減少抑制機構」を導入。4つそれぞれの車輪にかかる力を均一化し、車輪が浮き上がるリスクを低減させました。
画像、参照。画像出典:乗りものニュース/鉄道総研)

この二つの対策が、「乗り上がり脱線」を防ぐことに大きく役立ちます。脱線の発生に対する指標のひとつである「脱線係数」(横圧÷輪重)が、一般的な構造の台車と比較して概ね半分程度になり、「乗り上がり脱線」に対する安全性が大幅に向上することを確認したとのことです。脱線事故を根本的に防止するための、全く新しい技術です。この凄さが少しでも伝われば幸いです。

【主な参照文献】
「脱線しにくい車両技術」公益財団法人鉄道総合技術研究所 鉄道力学研究部 車両力学研究室長 宮本 岳史
脱線しやすさが半減 安全性向上させた鉄道車両の台車を新開発 鉄道総研(乗りものニュース7.28)
地下鉄脱線事故の真因を探る-No.2 のり上がり脱線とは ?(永瀬和彦の鉄道技術ホームページ)
鉄道総研、脱線しにくい台車開発(共同通信7.21)

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